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2017年 04月 26日

共謀罪はなぜ怖い?

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昨夜の「木村草太さん講演会実行委員会結成の集い」で行われた川元志穂弁護士による特別講演のレジュメを紹介します。


共謀罪はなぜ怖い?
弁護士 川元志穂

1.テロ等準備罪=共謀罪
「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」が2人以上で対象犯罪を計画(共謀)して、そのうちの誰かの準備行為があれば、計画された犯罪が本当に実行されなくても、その計画(共謀)自体を罰する法律。

※これまで3回(2003年、2005年、2009年)も廃案になった共謀罪が、名前を変えた。

2.共謀罪はなぜ怖い?~刑法の大原則が変わる~
共謀だけで処罰するとなると、本当に犯罪を実行するつもりがなくても、間違えて逮捕・勾留されたり、罰せられるおそれが大きい。
実際、戦前には、国家に反対する思想を持っているというだけで、多くの人が不当に逮捕・勾留され、拷問を受け、処罰された。その反省から、処罰範囲を限定する必要があると考えられた。
そのため、これまでの刑法は、既遂処罰が大原則。未遂・予備は例外的に処罰。共謀処罰は例外中の例外。

↓ しかし

共謀罪は、この大原則を変え、処罰範囲を大幅に広げる。
冤罪が急激に増えたり、思想・言論統制や監視社会につながるリスクが大きい。

3.テロ対策のために必要なの?
⑴ 共謀罪がなくてもテロ対策のための法律がすでに整備されている
例:殺人予備罪、爆発物取締罰則、銃刀法、組織犯罪処罰法、暴力団員による不当な行為の防止に関する法律、公衆等脅迫目的の犯罪行為の資金提供等の処罰に関する法律など

⑵ テロ対策の条約を締結するために必要はない
政府は、テロ対策のための国際的組織犯罪防止条約(TOC条約またはパレルモ条約)を実施するために共謀罪が必要だとする。

 ↓ しかし

国際的組織犯罪防止条約は、マフィア対策を目的とするもので、テロ対策とは無関係。国連広報センターが掲げるテロ防止のための条約14本の中に国際的組織犯罪防止条約は含まれていない。

⑶ 316(277)の対象犯罪には、テロとは直接関係のない犯罪の方が多い

⑷ テロに狙われないように、そして、テロをそもそも生まないように、武力以外の方法で平和協力することこそが大切。
  どれだけ厳しくテロ対策をしても限界はある。
  
4.一般人には関係ないの?
⑴ 「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」だけが共謀罪で罰せられるから、一般人には関係ない?
 →反復継続性は必要なく、2人以上の人が1度だけ対象犯罪をする目的で共謀すれば、「組織的犯罪集団」と認定されうる。
 →そして、認定するのは、捜査機関や裁判所。
 →一般人も「組織的犯罪集団」と認定されてしまう可能性が十分ある。
 
⑵ 犯罪の「準備行為」が必要だから、一般人が間違って罰せられることはない?
 →「準備行為」は、それ自体が危険な行為でなくてもよい。
 →預金を下ろす、宿泊や交通機関の予約、SNSでのやりとりなど、日常的な行為が犯罪の準備行為だと言われかねない。一般人でも、「準備行為をしたと認定される可能性が十分ある。

⑶ 監視社会になり、一般人も監視されるおそれがある
 →犯罪を相談したことの証拠集めのためには、監視(電話やメール・ラインの通信傍受、GPS捜査など)や密告が必要。
 →秘密保護法、盗聴法拡大、司法取引制度導入の一連の流れと組み合わさると、情報統制と国民監視による歯止めなき監視社会につながる。
 →一般人も監視され、プライバシーがなく、安心して家族や友人と本音で話しをすることもできなくなるおそれがある。

5.政府に反対する市民運動への萎縮効果
〇安保法制に反対する市民運動のように、政府に反対する市民運動に共謀罪が適用されるおそれが高まる。
〇共謀罪の捜査のためと称して、監視されるおそれも大きい。
〇スパイが運動団体の中に入ってくる可能性もある。

 ↓

市民運動への萎縮効果が出る可能性は高い。

↓ しかし

声を上げないと余計に政府が権力を濫用し、戦争に突き進むおそれもある。



市民が、「テロ」とは全く違う雰囲気で、明るく、堂々と声を上げて、信頼関係で横につながっていくことが大切。



by kenpotamba | 2017-04-26 11:31 | Trackback | Comments(0)
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